2014年12月19日金曜日

会津にて ~ 「八重の桜」、新島襄

今日は仕事で会津に来た。
実は、自分にとって、昨年来、会津は憧れの地だった。
















きっかけは、大河ドラマ『八重の桜』。
会津武士たちの真っ直ぐな生き様に心を動かされた。

戊辰戦争で大きな傷を負ったにもかかわらず、
明治時代に功績を残した人が多くいたことを知った。

彼らの精神的な土台を作った教育にも共感した。

しかし、このドラマで興味を持ったのは、会津に対してだけでない。
実は、群馬県に縁のある人物に強く惹かれた。

新島襄である。

ドラマの主人公、新島(旧姓山本)八重の夫だ。

彼の功績については、アメリカに渡り、帰国後はキリスト教の布教とともに、
教育者として同志社大学の立ち上げに人生を捧げたということくらいしか知らなかった。

彼に惹かれた理由は、彼が何を憂い、
どのような思いで学校設立に奔走し、
志半ばで殉じたかを知ったからだ。

襄が起案し、教え子であった徳富蘇峰が書いたとされる、
「同志社大学設立の旨意」は彼の志を現在に伝えてくれる。

以下、同志社大学HPより引用。

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「同志社大学設立の旨意」(抜粋)

…(同志社の)目的とする所は、独り普通の英学を教授するのみならず、其徳性を涵養し、其品行を高尚ならしめ、其精神を正大ならしめんことを勉め、独り技芸才能ある人物を教育するに止まらず、所謂る良心を手腕に運用するの人物を出さん事を勉めたりき。而して斯くの如き教育は、決して一方に偏したる智育にて達し得可き者に非ず。唯だ上帝を信じ、真理を愛し、人情を敦くする基督教主義の道徳に存することを信じ、基督教主義を以て徳育の基本と為せり…

…人民の手に拠って設立する大学の、実に大なる感化を国民に及ぼすことを信ず、其生徒の独自一己の気象を発揮し、自治自立の人民を養成するに至っては、是れ私立大学特性の長所たるを信ぜずんば非ず…

一国を維持するは、決して二、三英雄の力に非ず。実に一国を組織する教育あり、智識あり、品行ある人民の力に拠らざる可からず。是等の人民は一国の良心とも謂ふ可き人々なり。而して吾人は即ち此の一国の良心とも謂ふ可き人々を養成せんと欲す。吾人が目的とする所実に斯くの如し。
明治二十一年十一月
同志社大学発起人 新島 襄

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もしご興味を持って頂けたら、全文の現代語訳もあるので、ご覧いただきたい。
https://www.doshisha.ac.jp/attach/page/OFFICIAL-PAGE-JA-36/15351/file/dosh_set_gendaibun.pdf

その文章の中にもある通り、知識を学ぶだけでは十分でなく、
それを活用する品行と精神を養成することが大事だと述べ、
「一国の良心」ともいうべき人を育成することを目的としてる。

今も当時も、課題は同じなのだと思わされる。
考えてみれば、2500年前に書かれた『論語』にも、
今に通ずるものがあるのだから、人はそんなに変わっていないということか。

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